【ロードバイク組立記】カーボンフォークのコラムカット

DE ROSA TITANIO Soloをフレームから組み立てる【ロードバイク組立記】シリーズ。

前回はヘッドセットのインストールを行い、ステムを仮固定するところまで作業しました。

【ロードバイク組立記】ヘッドセットのインストール

2016年11月9日

今回はステムを本固定する下準備として、カーボンフォークのコラムカットを行います。下の写真はステムを仮止めした状態ですが、ステムの上部にフォークコラムがかなり飛び出ています。

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新品のフォークはどんなフレームにも取り付けられるようにコラムを長く作ってあるので、これをカットする作業が必ず発生します。

準備するもの

ステム

コラムのカット位置を決めるためには実際に取り付けたいステムの高さ情報が必要です。製品のスペックを見れば高さ情報も書かれていますが、誤ってカットし過ぎると元に戻せないので、実物を取り付けて確実に位置を決めするのが無難です。

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ステムは前回の作業でも紹介しましたが、私はDEDAのsuper leggeroを選択しました。決め手は見た目です。グラフィックも好みですが、細身なシルエットにも魅かれました。

TITANIO Soloはクロモリフレームと比べれは太いですが、カーボンフレームと比較すればロードバイクとしては細身のシルエットです。そのため細身のフレームとのボリュームバランスを考えてステムを選びました。

コラムスペーサー

ハンドルの高さ調整の役割を果たすコラムスペーサーもステムの取り付け位置の確認に必須です。

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私が購入したのはEXTRALITEの”ExtraBolt 10″と名前の付いたコラムスペーサーです。公式サイトのWEB SHOPから購入しました。100% MADE IN ITALYとある通りイタリアから国際郵便で送られてきました。

選んだ決め手は軽さもそうですが、やはりデザイン。よくあるカーボン柄のコラムスペーサーなどは太さがあり、細身のフレーム&ステムに取り付けるとバランスを崩します。ヘッドチューブと同じように中央がシェイプされたシルエットがスチールフレームにもマッチすると期待して選びました(^^)

カーボンソー&ソーガイド

カーボンフォークのコラムカットには専用のソー(ノコギリ)とソーガイドを使用します。

クラウンレースのインストールには自作工具を使用しましたが、コラムカットは切り口が斜めになったり、切断面が荒れるとリカバリーが大変です。素直に専用工具を購入しました。

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写真左はソーガイド、写真右はカーボンソーの”替刃”です。

カーボンソー(替刃)

私が購入したカーボンソー(替刃)はパークツールのCSB-1です。本来はパークツールのSAW-1を買って、付属の金属用の刃と交換するための替刃ですが、工具のコストを抑えるために替刃のみを購入しました。

ちなみにカーボンのコラムカットには金属用のソーは向きません。カーボン素材はカーボンファイバー(炭素繊維)を固めたものなので、金属切断用のギザギザの刃で切断しようとすると繊維が引っかかり、切断面の繊維がささくれたり割れたりする可能性があります。

一方、カーボン用のソーには実際には刃というよりも砥石のような粒子が付着しており、カーボンファイバーに引っかかることなく細かく削るように切断できるのです。金属用のソーでもカット自体は可能ですが、切断面の荒れはコラムの耐久性にも影響するので、カーボン用のソーを使うのがオススメです。

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今回用意したのは替刃だけなので、片側にテープを巻いて持ち手を作りました。安定した作業のためには素直にSAW-1に取り付けるべきですが、慎重に作業すれば替刃だけでも作業可能でした。(積極的にはオススメしません。)

ソーガイド

ソーガイドとしてはTOPEAKのスレッドレスソーガイドを購入しました。決め手は金属用/カーボン用両方の刃に対応していること。

実は金属用とカーボン用では刃の厚さが違います。一般的なソーガイドは金属用の刃にしか対応していないことが多く、カーボン用の刃だとソーガイドに入らないケースもあるので要注意です。

商品裏面を見ると金属用に1.2mm、カーボン用に2mmの2種類のスペーサーが用意されています。前述の通りカーボン用のソーは刃の代わりに粒子を付着させているため、少し厚みがあるのです。

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商品出荷時は金属用スペーサーが取り付けられているので、これをカーボン用スペーサーに交換します。

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ネジは4mmのアーレンキーを使って外します。そして元々表側についてたカーボン用スペーサーと、内側に付いていた金属用スペーサーを入れ替えて、再びネジを締め直します。

瞬間接着剤

コラムカットした後の切断面の仕上げに使用します。

カーボンフォークのコラムカット作業

ステムとコラムスペーサーを装着した状態で、鉛筆やシャープペンシルでフチをなぞるようにして切断位置をマークします。当然ですが、一度短くカットしてしまうと長くすることは出来ないので、高さは慎重に決めましょう。

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ステムの高さも製品によって違いがあるため、ギリギリを狙って切断すると後から別のステムに交換出来ない場合もあります。自分のライディングフォームが定まっていない場合はコラムスペーサーを多めに入れて、乗りながら少しずつセッティングを追い込んでいくのがセオリーです。

またステムの取り付け強度を考えた場合、一般的にはステムの上にもコラムスペーサーを積むことが推奨されています。私は5mmのスペーサーを1枚積みました。

切断位置をマークをしたら、そこから2〜3mm程度短い位置で切断を行います。カーボンソーの刃の厚さが約2mmあるので、それを考慮するとマークした箇所から刃の厚さ1枚分くらい内側を狙う感じ。ソーガイドを装着した状態で刃が当たる箇所を確認し、ソーガイドを移動しながら切断位置を微調整します。

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切断の作業自体は10〜15分くらいでした。あまり力んで早く切っても断面が荒れるだけなので、それよりは丁寧な仕事を心がけて普通の力で地道に切断しました。

上に書いた通りカーボンのカットは実際には“削る”なので、細かい削りカスがたくさんでます。下に何か敷いて作業しましょう。また作業時に削りカスがフォークの中に入ってしまわないように、内側にはティッシュを詰めて対策しました。

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上は切断後の断面です。カーボン繊維のささくれや剥がれもなく、綺麗に切断することが出来ました。フチの白いのはティッシュの欠片です。

切断面の荒れが気になる場合はヤスリ掛けして仕上げるところですが、指で触っても滑らかな仕上がりなので、私はこのままでOKと判断しました。

最後、仕上げに切断面に瞬間接着剤を盛ります。

カーボンは乾燥状態では硬いのですが、水分を含むと強度が落ちてしまいます。瞬間接着剤は繊維に染み込むように浸透する性質があるため、こうすることで切断面から湿気が入り込むことを防ぐのです。

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瞬間接着剤が乾けば完成です。

この通りカーボンフォークのコラムカットはカーボンソーとソーガイドさえあれば大した作業ではありません。ポイントはカットそのものよりも切断位置をしっかりと決めるところです。

コラムカットは失敗すると短くする方向にしかやり直しができないので、試し切りをしたり、最初は長めに切っておいて、後から何度か微調整することと思います。作業回数を考えたら最低限の工具は買っておいて損はないと思います。

さて、次はステムの取り付けです。

つづく。

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ABOUTこの記事をかいた人

サトウ ケン (sato ken)

1980年生まれ。横浜市在住。

ミニベロ一筋10年目を迎える2016年秋にロードバイクデビューしました。
趣味のカメラを携えて、自転車の話題を中心に好きなこと楽しみながらお届けしていきたいです。

愛車は以下の2台体制。

ロードバイク: DE ROSA TITANIO Solo
ミニベロ  : E.B.S FLOAT 451 Road