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【ロードバイク組立記】CAMPAGNOLOのリアディレイラー(RD)調整

DE ROSA TITANIO Soloをフレームから組み立てる【ロードバイク組立記】シリーズ。

前回は11速用チェーンの組み付けまで完了しました。

【ロードバイク組立記】CAMPAGNOLO RECORD 11S CHAIN組み付け

2017年2月5日

今回はリア・ディレイラーの調整を行っていきます。

準備するもの

ヘックスレンチ

CAMPAGNOLOのリア・ディレイラー調整

TITANIO SoloのコンポーネントはCampagnolo SUPER RECORDを組み付けます。コンポーネント一式、つまりGroupset(グループセット)は海外オンラインショップのMerlin Cycleから購入しました。

リアディレイラー(RD)の調整はRDに付属の取扱説明書またはオフィシャルサイトを参照しながら行っていきます。

また海外のロードバイクお役立ちサイトでおなじみのGCN(Global Cycling Network)の”How To Install A Campagnolo Rear Derailleur”という動画も非常に参考になります。

詳細はこれらのマニュアルや動画にとてもわかりやすく説明されているのでお任せするとして、例によって本エントリーではポイントに絞って書いていきたいと思います。

リアディレイラー調整のポイント

RDの調整で重要なポイントは2点あります。

  1. チェーンがスプロケットのギアから外れないこと → ガイドプーリーの可動範囲調整
  2. シフトチェンジがスムーズかつ正確に出来ること → シフトケーブルのテンション調整

②についてはバッチリ決まらないと走行中に非常に気になるので、誰でも積極的に調整するポイントだと思います。一方で、①については問題が起こるまで調整に失敗していることがわからない場合もあるので、特に自分で調整しようとする場合には注意が必要です。

ということで今回は①を重点的に紹介しつつ、①→②の順番で調整を行っていきます。

ガイドプーリーの可動範囲調整

RDの小さなローラーがついた部分を“ガイドプーリー”と呼びます。その名の通りチェーンがスプロケットのどのギアを通るか(=チェーンライン)をガイドする役割を果たします。まず最初にこのガイドプーリーの可動範囲がトップギア(歯数が一番少ないギア)とローギア(歯数が一番多いギア)の範囲内に納まるように調整します。これは上で紹介したGCNの動画の1:26頃から紹介されている作業と同じです。

ちなみにこの作業はシフトケーブルを掛けてある必要はないので、私はいつもシフトケーブルを掛ける前にこの調整をしています。GCNの動画でもRDを指で押して可動範囲を確認しており、シフトケーブルは使っていません。逆にシフトケーブルのテンションが強く張られていると、特にトップギア側のガイドプーリーは動きが鈍くなり調整しにくくなるので要注意です。

RDの調整ネジの回転方向とガイドプーリーの移動方向の関係は以下の通りになっています。意外と忘れやすいので自分用のメモも兼ねて少し真面目に図を作ってみました。

トップギアとローギアとではネジを回したときにガイドプーリーが動く方向が反対というのがポイントです。

トップギア側の調整は、RDから手を離した状態で、ガイドプーリーのローラーの中心とトップギアの中心が一直線になるようにトップギア調整ネジを回します。既にシフトケーブルを取り付けてある場合は、ケーブルテンションを十分に緩めてから行います。下の写真は調整済みで、例えシフトケーブルを抜いてもガイドプーリーはこれ以上外側には動かないようになっています。

続いてローギア側の調整は、GCNの動画のようにRDを指で押してガイドプーリーのローラーの中心とローギアの中心が一直線になる位置で動きが止まるようにローギア調整ネジを回します。下の写真は調整済みで、この状態からシフトケーブルをいくら引っ張ってもガイドプーリーはこれ以上内側には動かないようになっています。

これらの調整を行うことで、チェーンラインが必ずスプロケットの範囲内でのみ移動するようになります。そして、この調整が決まったら、この後の作業ではガイドプーリーの調整ネジは絶対に動かしません。動かしたらこの調整を行った意味がなくなってしまいます。

この調整を怠ったり失敗すると、チェーンラインがトップギアより外側またはローギアより内側に動いてしまい大事故に繋がる恐れがあります。具体的には以下のようなケースが考えられます。

シフトケーブルのテンション調整

ガイドプーリーの可動範囲調整が終わったらシフトケーブルのテンション調整を行っていきます。

ケーブルを掛けたらシフトダウンレバーを操作しながら以下の3点を確認します。

最後にスプロケットのトップギアから5枚目(トップギアから4回シフトダウン)の位置に合わせ、最終調整をします。下記の①〜③を繰り返してセッティングを追い込んで行きます。

  1. シフトケーブルアジャスターを回してチェーンの音が一番小さくなるポイントを探します。アジャスターは時計回りでテンションを緩め、反時計周りでテンションを高めます。
  2. ①のポイントが見つかったらトップギアにシフトアップします。この時、トップギアにチェーンが落ちにくかったら少しテンションの張りすぎです。アジャスターを時計回りに少し回してテンションを緩めます。
  3. トップギアにシフトチェンジしたら、今度はローギアにシフトダウンしていきます。1段ずつローギアまでシフトチェンジ出来ることを確認します。1段飛ばしが起きた場合はまだケーブルテンションが高いのでアジャスターを時計回りに回してテンションを緩めます。ローギアまでシフトダウン出来ない場合はケーブルテンションが緩いのでアジャスターを反時計周りに回してテンションを高めます。

アジャスターはグリグリ回さず、半回転とか4分の1回転とか、地道に少しずつ調整していくのが結局は近道です。そして正確なシフトチェンジが出来るようになったら調整終了です。

なお“音”に関してはCampagnoloのギアはSHIMANOほどには無音になりません。正確なギアチェンジが出来ているなら気にし過ぎは時間の無駄です。どうしても気になるならショップへ持ち込んでプロにお願いしましょう。持ち込みだとショップ顧客より工賃は高いかもしれませんがそれも含めて勉強代です。良いショップなら調整のアドバイスをしてくれるはずです(^^) もしくはこれ以上調整出来ないということがわかるだけでも精神的にさっぱりしますね(^^;)

 

さて次回は【ロードバイク組立記】の最終回(?)、フロントディレイラー(FD)の調整です。

つづく。

【ロードバイク組立記】CAMPAGNOLOのフロントディレイラー(FD)調整

2017年5月6日