DE ROSA TITANIO Soloの購入にあたっては海外の老舗自転車通販サイトのBELLATI SPORTを利用しました。そしてこの注文の中で2つのトラブルに遭遇しました。
- DE ROSA TITANIO Soloを別の顧客に誤配達してしまった(BELLATI SPORTの発送ミス)
- 本来フレームにあるはずのBLACK LABELが貼られていなかった(DE ROSAの仕上げミス)
ところで、私はロードバイクに限らず以前から海外通販を利用していますが、国内と比べると海外からの買い物にはトラブルが多い印象です。さすがに今回のようなトラブルが立て続けに起こるケースは初めてですが、小さなトラブルには何度か遭遇しています。
これらはロードバイクの話題というよりも海外通販におけるトラブル対応一般の話になりますが、【ロードバイク購入記】の番外編として、今回私が遭遇したトラブルやその対応の顛末について記しておきたいと思います。
海外通販においては「こういうトラブルもある」、「トラブル解決に向けて積極的な働きかけが求められる場合もある」もしくは「解決までに時間が掛かる場合もある」という事例の紹介として読んでいただければと思います。
1. TITANIO Soloの誤配達
誤配達の連絡から到着まで
DE ROSA TITANIO Soloの発送連絡は誤配達のお詫びと同時にやってきました。
連絡メールの内容は以下のとおりです。
Good day,
あと2〜3営業日でフレームが到着する予定だよ。
ただ、申し訳ないんだけどDE ROSAのミスでBOXに書かれたサイズが我々のオーストラリアのお客さんのサイズで、気付いた時には発送した後だったんだ。
そういうわけで、BOXは(オーストラリアの)彼からあなたに届くよ。彼がフレームの状態をチェックしてくれたけど、全てパーフェクトでしっかり梱包されているとのことだよ。
Andrea Bellati
この連絡から3日後、DE ROSAのBOXが無事に届きました。
トラブルの対応と影響
このトラブルに関してはメール連絡での事後報告とお詫びがありましたが、私自身に何か対応を求められたわけではありません。影響といえば誤配達のためにBOXの到着が数日遅れたことくらいで、むしろ自分のフレームだと思って受け取ったらそうではなくて遠い日本へBOXを転送する羽目になったオーストラリアの彼に同情&感謝です。
トラブルの対応方法について
国内での買い物に慣れている人にとっては、今回のような誤配達のトラブルに“転送で対応”は考えられないかもしれません。実際に国内のショップだったら誤配達品を回収する一方で、本来の受取人には別の新品を送るという対応をすると思います。
また今回のケースではオーストラリアの彼がBOXを開けているため、ただの誤配達以上に「知らない人が扱った」ということを気にする人もいるかもしれません。
一方で私個人としては、オーストラリアの彼がBOXを開けて組立て前にフレームサイズを確認しておかしいと感じたからこそ正しい持ち主の私に転送されてきたはずなので、そこはむしろ不幸中の幸い、特に気になりませんでした。
むしろ、オーストラリアの彼もこれから同じDE ROSA TITANIO Soloのオーナーになる仲間ですから、フレームがちょっと寄り道をして見知らぬ異国の仲間と無言の交流を持たせてくれた、くらいのポジティブな気持ちで受け止めています(^^)
こうした対応に納得できるかどうかはその人の気持ち次第のところもありますが、ひとつ言えるのは今後も同様の誤配達が起こる可能性は十分にあるだろいうということ。それを避けたいのであれば、海外通販は諦めて、国内のショップから購入するのがオススメと言えると思います。
2. BLACK LABELの貼り付け忘れ
BLACK LABELとは
BLACK LABELとは、DE ROSA JAPAN OFFICIAL WEB SITEの『BLACK LABELとは』のページから抜粋(*1)すると以下の通りです。 *1: 2016年時点の記述
BLACK LABELは、カスタムサイズとして受けたオーダーを、Cusano MilaninoのDE ROSAで丹念に仕上げ、オーダーをいただいた貴方のためだけにお届けする特別なモデルです。
トラブルの対応と影響:BLACK LABELの取り寄せ依頼から受け取りまで
カスタムサイズのオーダーフレームに貼られているべきBLACK LABELが貼られておらず、今回のケースではこちらからの取り寄せ依頼やその後の連絡に対応が求められました。また影響としてはBLACK LABELを受け取るまでに約2ヶ月を要しました。
最初の取り寄せ依頼とBellatiさんからの回答は以下の通りでした。
[依頼]
カスタムサイズのフラームをオーダーしたんだけどシートチューブにBLACK LABELステッカーが見当たらなかったよ。添付の写真を確認してくださいね。私宛に送るようにDE ROSAに伝えてもらえますか?
[回答]
BLACK LABELは2年前に生産された限定シリーズのためのものだよ。DE ROSAには伝えたけど、もしDE ROSAが不可能もしくはもうやってないと言ってきた場合は対応出来ないよ。
この回答からするとBellatiさんはどうもBLACK LABELが2013年に限定販売されたDE ROSA 60周年記念モデルのSessantaシリーズ(http://www.derosablacklabel.com)だけのものと思っているようです。SessantaシリーズはBLACK LABELの第一弾ですが、今のBLACK LABELは一部のカスタムサイズオーダーのフレームにも継続して適用されます。
ここでBellatiさんが「DE ROSAのミスで貼られていない」という状況をきちんと理解していないと、DE ROSAにもBLACK LABELを要求する正当な理由が伝わらず、”NO”の回答が返ってくる可能性があります。急ぎ、BLACK LABELについて改めて説明しました。
[説明]
DE ROSAに伝えてくれてありがとう。
念のため伝えておくと、私のお願いはイレギュラーなものではないよ。なぜなら今のBLACK LABELは限定モデルのSessantaだけでなく、TITANIO Soloを含むカスタムサイズのフレームに適用されるものだから。詳細はカタログの(略)を確認してくださいね。
そういうわけなので、私のフレームがDE ROSAによる正真正銘のカスタムメイドである証拠としてラベルを送ってもらう必要があるし、もし送れないという場合はきちんとした理由の説明をお願いしますね。
[回答]
メールの内容を理解したよ。
DE ROSAにはラベルについて問い合わせて、可能な限り届けるようにするよ。
理解してもらえたようです(^^)
さて、この回答から待つこと3週間、一向に発送の連絡がありません。状況を確認するためにメールで質問しました。
[質問]
BLACK LABELが届くのを3週間待っているけど、まだ受け取れてないんだ。DE ROSAに状況を確認してもらえますか?
[回答]
流通業者(distributor)がまだ(DE ROSAの)工場に行っていないんだ。彼が来週あなたのラベルを受け取ってくる予定だよ。
上の回答からさらに約3週間後、Bellatiさんからついにラベル発送の連絡がありました。そしてさらに1週間後、最初の問い合わせから約2ヶ月後、無事にBLACK LABELを受け取ることができました。
[連絡]
今日、BLACK LABELを優先郵便(priority post)で発送したよ。
忍耐強く対応してくれてありがとう(Thanks for your patience)。そして今回のトラブルを申し訳ないと思ってます。
[返信]
BLACK LABELの受け取りができて嬉しいです。
素晴らしい対応をありがとう(Thank you for your great support)。
なんとも気の長い話ですが、このようにして約2ヶ月掛かりでBLACK LABEL送付の対応をしてもらいました。
トラブルの対応方法について
回答の中に以下の言葉がありました。
[回答]
流通業者(distributor)がまだ(DE ROSAの)工場に行っていないんだ。彼が来週あなたのラベルを受け取ってくる予定だよ。
おそらくですが、DE ROSAからBELLATI SPORT宛てのフレームやバイクは業者が定期的にまとめて持ってくるのでしょう。ラベル一枚だったらDE ROSAから郵便で送ればと思いますが、そういう“特別対応”は日本的な考え方で、今回のラベルもいつも通りの定期便のついでに受け取ったのだと思われます。
もちろん今回のトラブルはレアケースだと思いますが、ひとたび問題が起こると日本国内では考えられないような時間が掛かるケースもあるのが海外通販。これがもし国内のショップの場合であれば、推測ですが、DE ROSAの日本代理店(日直商会)が本社に直接働きかけて、急いでラベルを送るようにサポートしてくれるかもしれません。
もちろん対応に時間が掛かるからBELLATI SPORTや海外通販が悪いというのではなく、サービス面に対するコストの掛け方が違うように感じます。特にロードバイクにおいては国内ショップで買う場合と比べて価格の安さが注目されがちな海外通販ですが、現在の円高という理由だけでなく、もともとのサービスに対するコスト意識の違いからくる価格差もあると思います。
私は今回のようなやり取りや時間経過は苦でないので、今回の件を差し引いても価格に圧倒的な魅力を感じたBELLATI SPORTに注文して良かったと思っています。
またサービスについても、時間は掛かってもこちらからお願いした内容(フレームサイズ変更、シートポスト仕様変更、機械式コンポ用のフレーム)については完璧に対応して貰えているので、その点は高く評価しており非常に満足しています。
最後に
国内の通販で提供されるサービス品質やスピード感が当たり前と思っている方には、以上に挙げたような海外通販での時間経過や対応方法にはイライラしたり納得がいかない部分もあるかもしれません。
一方で、海外通販には価格的な魅力と、日本で買えないモノが手に入るという楽しさがあると感じています。海外通販のメリット・デメリットを理解/納得した上で、また万が一のトラブルは一緒に問題を解決していくことも含めて面白さを感じられるのであれば、海外通販デビューを検討してみてもいいかもしれません。
私のようにこれからロードバイクを始めるにあたり、海外通販を検討されている方の判断材料として、今回の事例が少しでも参考になればと思います。