2016年9月24日、新横浜は日産スタジアムで開催された『サイクルパークフェスティバル』に参加し、レースデビューしてきました。
サイクルパークフェスティバルについて
正式名称『アンカー 日産スタジアム・サイクルパークフェスティバル』はその名の通り日産スタジアムを舞台にしたサイクルイベントです。このイベントの特徴であり醍醐味はそのコース設定。日産スタジアムおよびスタジアム周辺の新横浜公園を使ったコースなのですが、なんと日産スタジアム内の陸上競技トラックを自転車で走るという貴重な体験ができます。
イベントのメインは3時間および2時間の耐久レースで、1周3.2kmの周回コースを制限時間内に何周できるかを競います。ママチャリ、ミニベロ、フラットバーなどロードバイク以外の車種でも参加可能です。またメインのレース以外にもキッズバイクでのキッズレースも開催され、老若男女、そしてさまざまな実力レベルのサイクリストが一同に楽しめるイベントになっています。
『レースデビュークラス』にエントリー
第11回目となる今年のエントリー受付は5月20日12:00開始でした。私は昼休みに入ると同時にエントリーました。応募したのは『2時間の部 レースデビュークラス』で定員は先着30名です。
レースデビュークラスはロードレース初参加のビギナー向けに設定されたクラスで、レース当日の午前中に初心者講習が用意されています。レース走行時のマナーやコースの攻略法など安全にレースに参加するためのノウハウを授かることができ、私のようにレースデビューしてみたい初心者には絶好の機会です。
エントリー時に乗車予定の車種を選択する欄がありました。このとき既にDE ROSA TITANIO Soloのフレームは到着していましたが、乗り慣れたバイクで安全に完走することを最優先に考え、ミニベロのE.B.S FLOAT 451 Roadで出場することにしました。
ちなみにサイクルパークフェスティバルは人気のサイクルイベントで、レースデビュークラスも含めソロ(個人)で出場するクラスは受付開始初日に定員に達しました。来年初参加してみようという方は4月下旬くらいから公式サイトの日程表をチェックして、エントリー開始と同時に申し込むのをオススメします。
事前準備
レースデビュークラスはレースカテゴリとしては2時間をソロで走るクラスです。しかし、これまでずっとミニベロにマイペースに乗ってきた私は2時間をノンストップで走った経験がありません。
また、ボトル給水は停車して行っていたため、走りながらの給水も不慣れ。さらに言うと、ペダルはハーフクリップペダルで、フラットペダルに比べたら固定感はありますが、レインコンディションだと足が横方向に滑る恐れがあります。なんという課題の多さ(^^;)
一朝一夕に速く走れるようになるわけではありませんが、例え遅くとも“完走”という目標を果たすため以下のような準備をしました。
- 1時間ノンストップ練習
- 走行しながらのボトル給水練習
- ビンディングペダルデビュー
週末の早朝の短い時間に集中して1時間をノンストップで走るように心がけました。本当は2時間ノンストップ練習もしたかったのですが、時間が取れず最後まで出来ませんでした。ただ、体力的な向上は置いといて、体力が無いなりのノンストップ走行に慣れたのは収穫だったと思います。
またボトル給水は最初恐る恐るだったのが、ペダルを回しながらでもふらつかずに安定してできるようになりました。ビンディングペダルへの移行は既にハーフクリップペダルに慣れていたせいか立ちゴケの危険は感じず、それよりパチンと素早く嵌める練習がメインでした。
サイクルパークフェスティバル開催当日
日産スタジアムは自宅から近く、開催当日はアップも兼ねて自走で向かいました。雨雲がどんよりとした微妙な空模様。
露店が出ていて祭りの雰囲気もありますが、到着した時は午前の3時間の部がレースの真っ只中。参加者や観客はスタジアム内に集まっているため場外はゆったりとしていました。
受付を済ませてスタジアムへ向かいます。場外とは一転、向こうに見えるスタジアム内には人だかりが。
スタジアム内に入ると、観客の声援が聞こえ賑やかな雰囲気です。そして3時間の部の参加者が陸上競技トラックを疾走していきます。私からすると皆さん3時間走るペースとは思えないスピードです。
さて、レースデビュークラスの人はバイクと一緒に10時半に受付に集合ということで、受付に戻ります。
初心者講習&コース解説
10時半になると受付で点呼を取り、係りのお姉さんの先導で講習会場へ向かいます。講習は屋内なのでバイクは屋外に置くことになりますが、講習会場に向かう途中で関係者専用のシャッターゲートを通るので、屋外とはいえどもセキュリティは安全です。
初心者講習はサイクルイベント全般に共通する「体調管理」や「前日、当日の食事の摂り方」、「バイクの点検方法」から始まり、サイクルパークフェスティバルの「レースマナー」および「コースの説明や注意ポイント」そして「Q&A」とまさにビギナー向け。
サイクルパークフェスティバルのコースマップはこちら。
初参加者向けの走行ポイントをまとめると以下の通りです。
- 追い越し・追い抜きはコースの左側から。ゆっくり走る人はキープライト。
- コース唯一のくだり坂はS字に連続するヘアピンカーブ(MAPのB, C地点)のため、落車が多い。しっかり減速。スピード出し過ぎ注意。
- コースはテクニカルなコーナーが多いため、給水・補給はMAPのG→H→I地点がオススメ。
- 斜度15%以上の激坂区間「ピレネーピーク」(MAPのK地点過ぎの右コーナー直後から始まるL地点までの登り区間)は最初からギアを落とさないと登りきれず落車するので注意。
- 「ピレネーピーク」を登りきった直後のU字コーナー(MAPのL地点)は滑りやすく落車が多いのでアウトコースをゆっくり回るのがオススメ。
- 競技トラックは意外にもウェットでもグリップが強いので安心してペダルを踏んで(回して)大丈夫。
- 雨が降ってきたらタイヤの空気をワンプッシュ抜いてグリップを高めるのは有効。
試走へ
屋内での講習が終わるとちょうど試走開始の時間です。そのまま係りの人に先導されて、トラックに向かいます。試走はアンカー所属のプロ選手に先導してもらいます。冒頭にも出てきた写真を再掲しますが、こちらが試走の様子です。
先導してくださったプロ選手は軽く漕いでいるように見えるのですが、グングン加速していきます。そこに必死についていく初心者の我々というか主に私。試走でこのペースか・・・と一瞬焦りましたが、前を引いて貰っているので意外と楽に走れました。
試走してまず最初に感じたのが気持ち良く走れる路面状況の良さ。最初は試走は1周で済ませるつもりでしたが、あまりに気持ち良くて2周してしまいました。
もう一つ印象的だったのがコース唯一の登り坂区間でもある「ピレネーピーク」。距離60mと短いながらも斜度15%以上の激坂で、しかも頂上に近づくほど微妙に斜度がきつくなる厳しい区間です。周回を追うごとに脚を削られて、最後まで登れるか不安になりました。
レースデビュー
午前中は曇りのまま天気が持ったのですが、試走が終わる頃に本格的に雨が降り出しました。スタートラインにバイクを並べるとき、初心者講習で習ったとおりタイヤの空気をワンプッシュ抜きました。
12時55分、定刻通りの合図と共にレーススタート。レースデビューは雨の中のレースとなりました。
あいにくの雨で路面が滑りやすくなっている箇所もあり、走行には注意が必要でした。その一方で、雨に濡れること自体は走り出してしまえばあまり気にならず、むしろ日差しが出て暑いよりは涼しくて良かったように思いました。
嬉しかったのがコース沿道の応援です。スタジアム内だけでなくスタジアム外にも、テントを張ったり傘をさして応援してくれる観客の方々がいて、苦しい時には励みになりました。
さて自身の走りはというと。
- 最初の1周は周囲の様子を見ながら非常にゆっくり走行。
- 2周目〜開始30分は抑え気味に、またストレートの箇所で小まめにボトル給水。
- 1時間はあっという間に過ぎ、抑えて走ったおかげか1時間20分頃まではそれほど疲労感なし。
- しかし、1時間30分を過ぎた頃になると急激に疲労感が(^^;)
- 1時間45分頃にはもうヘトヘトのドロドロで残念な走りに。
- 最後まで脚は着くまいと「ピレネーピーク」だけは気力で登坂。
- ラスト一周と思ってゴールに向かったら、ゴール締め切り1分前で、泣きそうになりながらもう一周。
というわけで、1番は体力的な課題が浮き彫りになったレースでした。一方で補給もしっかりできていれば後半のバテはもう少し緩和できたかもしれず、今後に向けて色々と検討の余地がありそうです。
しかしそうした結果以上に、気持ちのいいコースを2時間存分に満喫でき、また完走という目標も達成できたので非常に充実したレースデビューになりました。
欲を言えば、もっとレースを楽しむためにもスタートからゴールまでバテることなく2時間フルに元気よく走り回りたいと強く感じました。これから1年間鍛え直して、また来年もエントリーしたいと思います(^^)